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刺し子完成|手仕事が教えてくれる時間の価値

生活の余白
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刺し子「柿の花」ついに完成しました

先日から少しずつ針を進めていた刺し子の「柿の花模様」。
途中経過をお伝えしてきましたが、ようやく完成の日を迎えました。
一度刺し始めると、模様が少しずつ浮かび上がってくるのが面白くて、ついつい「あともう少し」と針を動かしてしまいます。
気づけば時間が経っている――それが刺し子ならではの不思議な魅力です。

一目一目に刻まれる「時間」

刺し子は「布に糸を通す」という単純な作業の繰り返しです。
しかし、その一目一目には確かに自分の時間が刻まれています。
静かな午後に少しだけ進めたこと、夜のひとときに集中して針を進めたこと――
そうした瞬間が模様となって布に残り、完成品を眺めると「この時間を過ごした証」が確かに見えてきます。
刺し子は単なる布の装飾ではなく「時間を可視化する手仕事」だと実感しました。
作品そのものの美しさに加え、その裏に流れていた時間までを味わえる点に、深い魅力があるのだと思います。

コスパやタイパとは逆行する世界

今の時代、「コスパ」「タイパ」といった効率を重視する言葉がよく聞かれます。
短時間で成果を出すことは、確かに日常生活では大切です。
しかし刺し子のような手仕事は、その価値観からすると極めて非効率。
材料費はわずかでも、完成までには膨大な時間が必要です。
それでもなお、私は刺し子に惹かれます。
なぜなら、自分の手で作り上げる過程そのものに喜びがあり、効率や生産性とは違う「ゆっくりとした価値」がそこにあるからです。

なぜ刺し子に惹かれるのか

改めて考えてみると、根底には「手を動かすのが好き」というシンプルな気持ちがあるのかもしれません。
針を運ぶたびに少しずつ模様が形になっていく過程は、何度繰り返しても新鮮な楽しさを与えてくれます。
完成した布を手に取ると「この時間を私はこうやって過ごした」という確かな証が残っており、日常生活では得にくい充足感を与えてくれます。

刺し子がくれる小さな幸せ

今回完成した柿の花模様は、決して大作ではありません。
しかし、私にとっては大切な一枚になりました。
布には私が過ごした時間と気持ちが確かに刻まれており、眺めるたびにあの時間を思い出すことができます。
効率や合理性とは正反対の、ゆっくりとした手仕事の世界。
そのなかで得られる小さな幸せは、数字では測れない大きな価値を持っていると感じます。
これからも刺し子を続けながら、そんな「時間の贈り物」を大事にしていきたいです。

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