売れなかった子供服が、湯たんぽケースになった話

裁縫の余白

子供服は、気づけば「持て余すもの」になる

子供服は、成長とともに必ず役目を終えます。
サイズアウトした服を見るたびに、「まだ着られそうなのに」「捨てるには惜しいな」と思いながら、クローゼットの奥へ追いやってしまうことも少なくありません。

私も例に漏れず、不要になった子供服をメルカリに出品してみたことがあります。
けれど、なかなか売れず、ようやく売れたとしても送料や手数料を考えると、ほとんど利益は残りません。
手間をかけたわりに、達成感も薄い。
そんな経験から、「売る以外の活用方法はないかな」と、ぼんやり考えるようになりました。

寒さとともに始まった、湯たんぽ生活

最近、朝晩の冷え込みが強くなり、寝るときに湯たんぽを使い始めました。
じんわりとした温かさは心地よいものの、そのまま使うには少し熱すぎる。
やはり湯たんぽケースがあった方が安心です。

市販のカバーを買うことも考えましたが、ふと「そういえば、あの服があったな」と思い出しました。
小さい頃に使っていたスリーパー。
もう着ることはありませんが、生地は柔らかく、手触りも良い。
ここで、不要になった子供服の出番です。

売り物ではなく「使うため」に作る

今回作ったのは、スリーパーをリメイクした湯たんぽケースです。
売り物のようにきれいに仕上げる必要はありません。
家庭内で使うものなので、最低限の機能があれば十分です。

ミシンも、凝った工程は一切なし。
直線縫いを中心に、必要なサイズに合わせて縫うだけの、いわば「簡単ミシン仕事」です。
それでも、実用性は問題ありませんし、何より気楽に取り組めました。

手作りは「手間暇をかけるもの」だけではない

手作りというと、「時間をかけて、丁寧に、完璧に作るもの」というイメージを持たれがちです。
確かに、そうした楽しみ方もありますが、必ずしもそれだけではないと今回改めて感じました。

家にある資材を使い、必要なものを必要な形で作る。
このスタイルであれば、買いに行くよりも早い場合さえあります。
少なくとも、悩んで選んで、注文して、届くのを待つ時間はありません。

家族で使うものだから、完成度はほどほどでいい

家庭内で、家族が使う分のものに、完璧な完成度は求めていません。
多少縫い目が曲がっていても、デザインが地味でも、使えれば十分です。
その分、作る側の気持ちも軽くなります。

「失敗したらどうしよう」「下手だったら恥ずかしい」という気負いがない分、ミシンに向かうハードルもぐっと下がりました。

不用品を活かすことで生まれる、小さな満足感

今回の湯たんぽケース作りで、一番嬉しかったのは、持て余していた不用品を活用できたことです。
処分するしかないと思っていた子供服が、形を変えて、今の生活に役立つものになる。
その事実だけで、なんとも言えない満足感があります。

子供服のリメイクは、大掛かりな作品を作らなくても成立します。
「ちょっとした暮らしの不便を解消するもの」を作るだけでも、十分に価値がある。
そんなことを、今回の経験から感じました。

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