行きつけの飲食店があります。
何度も訪れているお店なので、注文するメニューも、だいたいいつも決まっています。
「今日もこれにしよう」
と注文して、料理が運ばれてきて、家族みんなでおいしく食べる。
そして、食べ終わった頃には、
「やっぱりここはおいしいね」
と満足して帰る。
我が家にとっては、そんなお店です。
「限定メニュー」の文字に心が揺れる
ところが先日、そのお店を訪れたときのこと。
たまたま、いつもはない限定メニューがありました。
しかも、いつものメニューと比べても、お得そう。
そして、メニューの写真を見ると、なんだかとてもおいしそうです。
「せっかくだし、今日はこっちにしてみようか」
そんな気持ちになりました。
「限定」
「お得」
「今しか食べられない」
こういう言葉には、なぜか心を動かされます。
結局、主人と私は限定メニューを注文することにしました。
一方、子供たちはというと、
「いつものやつがいい」
と、迷うことなく、いつものメニューを注文。
私は内心、
「せっかく限定メニューがあるのに……」
と思っていました。
でも、今思えば、このとき一番賢い選択をしていたのは子供たちだったのかもしれません。
食べ始めてすぐに出た結論
料理が運ばれてきて、みんなで食べ始めました。
そして、ほんの少し食べたところで。
主人と私の間で、
「……いつもの方がいいね」
と意見が一致しました。
子供たちも、
「やっぱり、いつもの方がおいしい」
と一言。
何度も食べてきて「これが好き」と分かっている、いつものメニューには、やっぱり敵いませんでした。
「お得」と「満足」は同じではない
今回、ちょっと面白いなと思ったのが、
お得そうなものを選んだからといって、必ずしも満足度が高くなるわけではない
ということです。
私たちはつい、
「期間限定」
「今だけ」
「お得」
「新商品」
という言葉を見ると、試してみたくなります。
せっかく来たのだから、いつもと違うものを食べてみよう。
どうせなら、お得な方を選ぼう。
そんな気持ちになるのです。
でも、子供たちは実にシンプルでした。
「いつものがおいしいから、今日もいつものにする」
それだけ。
そこには、「せっかく限定なのに」とか「お得なのに」という余計な判断がありません。
そして、実際にいつものメニューを食べて、今回も満足していました。
冒険も大切。でも「いつもの安心」も悪くない
もちろん、いつも同じものを選ぶことが正解とは限りません。
新しいものを試してみることで、今まで知らなかった「お気に入り」に出会えることもあります。
料理でも、趣味でも、旅行でも、仕事でも。
ときには、いつもと違うことに挑戦してみるのは大切です。
「やってみなければ分からない」ということも、たくさんあります。
ただ、今回の出来事で思ったのは、
「いつものものを選ぶ=冒険していない」ではない
ということ。
自分が何を選べば満足できるのかを、すでに知っている。
そして、その選択に納得している。
それなら、無理に新しいものを選ばなくてもいいのかもしれません。
我が家はやっぱり「いつものメニュー」
今回、限定メニューにホイホイつられた親。
そして、いつものメニューを迷いなく選び、いつも通りおいしく食べていた子供たち。
食事を終えてみると、なんだか子供たちの方が一枚上手だったような気がします。
限定だから。
お得だから。
今しか食べられないから。
そんな理由で選ぶのも楽しいけれど、
「これが好き」
「これなら満足できる」
という自分の感覚を信じることも、同じくらい大切なのかもしれません。
ということで、次にこのお店へ行ったときは――
我が家はきっと、いつものメニューを注文します。
冒険は、また別の機会に。
少なくともこのお店では、「いつもの」が我が家にとっての正解だったようです。

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