先日、自家用車の中で落とし物をしました。
落とした場所は分かっていたのですが、狭いところに入り込んでしまい、すぐに拾うのは簡単ではありませんでした。
本当なら、気付いたその時に少し労力をかけてでも拾ってしまいたいところです。
「今やってしまえば、後で気にしなくて済む」そう思ったからです。
私は、しなければならないことを保留しておくのが、あまり好きではありません。
やるべきことが残っていると、それだけで頭の片隅に引っかかってしまいます。
まだやっていない。
後でやらなければならない。
忘れないようにしておかなければならない。
そんな小さな「やらなければ」が積み重なると、何となく気持ちまでスッキリしません。
だから、できることなら、その場で片付けてしまいたい。
メールの返信も、ちょっとした片付けも、用事も、できるだけ先延ばしにせず、その日のうちに終わらせたいと思うほうです。
今回の落とし物も、できることならすぐに拾ってしまいたかった。
けれど、その時の状況では、座席を動かしたり、狭い場所をのぞき込んだりしなければならず、思った以上に手間がかかりそうでした。
そこで、「今は無理にやらなくてもいい。明日なら、もっと簡単にできるかもしれない」と判断して、いったん保留にしました。
そして翌日。
座席を移動させると、落とし物は思っていたよりも簡単に拾うことができました。
ほんの少しの作業で済みました。
その時、改めて思ったのです。
早くやることと、効率よくやることは、必ずしも同じではない。
「すぐにやる」ことにこだわりすぎない
何かを先延ばしにすると、どうしても「悪いこと」のように感じてしまいます。
もちろん、期限が決まっていることや、放置すると誰かに迷惑をかけることなら、早めに対処する必要があります。
でも、すべてのことが「今すぐやるべきこと」ではありません。
今やると時間も労力もかかるけれど、少し待てば簡単にできる。
今は集中できないけれど、後なら落ち着いて取り組める。
今やる必要はないけれど、後でやった方が他のことと一緒に片付けられる。
そんなことも、日常にはたくさんあります。
今回の落とし物は、まさにそういうものでした。
「今すぐ拾う」という選択肢だけを正解にしていたら、荷物がある中で狭い車内で座席を動かしたり、無理な姿勢になったりしながら、時間をかけて拾っていたかもしれません。
でも、一晩待ったことで、翌日は簡単に拾うことができました。
結果だけを見れば、待ったことは「先延ばし」ではなく、「タイミングを選んだ」とも言えます。
保留するなら、「忘れない仕組み」が必要
ただし、保留には一つ注意点があります。
それは、忘れてしまわないことです。
「明日やろう」と思って、そのまま忘れてしまえば、単なる先延ばしになってしまいます。
だからこそ、保留することには、少しだけ意識が必要なのだと思います。
「今はやらない。でも、明日やる」
そう決めたなら、そのことを覚えておく。
必要なら、メモをする。
スマートフォンに予定を入れる。
目につく場所に置いておく。
忘れないための仕組みを作っておく。
そうすれば、「やらなければならないことを抱えたまま」という感覚も、少し違ってきます。
ただ放置しているのではなく、自分でタイミングを決めているからです。
「今すぐ」を手放すことも、ひとつの選択
私はこれまで、「やるべきことは早く終わらせた方がいい」と思うことが多かったように思います。
もちろん、その考え方のおかげで助かっていることもあります。
早く終わらせてしまえば、その後は自由になります。
「まだやっていない」というプレッシャーからも解放されます。
それは確かに気持ちがいい。
でも、今回のことで、もう一つの考え方もあるのだと感じました。
すぐに対処することだけが、効率のいい方法ではない。
物事には、それぞれに適したタイミングがあります。
今やるよりも、少し時間を置いた方が簡単にできることもある。
今は手をつけない方が、結果的に時間や労力を節約できることもある。
だから、「すぐにやらなければ」と焦るのではなく、
「これは今やるべきことなのか?」
と一度考えてみる。
そして、今ではないと思ったら、安心して保留する。
ただし、忘れないようにしておく。
そんな判断も、日々を無理なく回していくためには必要なのかもしれません。
「すぐにやってしまいたい」という気持ちを、いつでも正しいものとして扱わなくてもいい。
時には、その気持ちをグッとこらえて、少し待ってみる。
そして、自分にとってちょうどいいタイミングで対処する。
今回、車の中の小さな落とし物を拾っただけですが、そんなことを改めて考えるきっかけになりました。
早ければ早いほどいい。
そうとは限らない。
「いつやるか」まで含めて、物事への対処なのだなと思った出来事でした。

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